長期上昇波動を捉える 3

長期上昇波動を捉える 2の続きです。


日経平均の例で見たように、基本は「長期上昇相場を捉えること」=「その経済圏の高度成長期に投資すること」
だと思います。
とは言え、経済の成長期がいつからいつまで続くかを予想するのも簡単ではないですね。


これに関連のある集団生物学の話に触れておこうと思います。
生物個体数の時間変化を表す典型的モデルにロジスティック曲線というものがあります。
初期段階は幾何級数的に増加を遂げますが、環境面の制約(環境抵抗)のために増加率が減退して最後はある限界値に
収束するというものです。



(ロジスティック曲線 横軸は時間、縦軸は生物の個体数)


実は経済指標等にも、これに似た推移を辿るものがよく見られます。


例えば、日本の名目GDP総額。(日本経済はもうアタマ打ちなんですかねぇ・・・?)



こちらは日本の小売販売総額。



もちろん、日本の指標に限りません。
こちらは中国における小麦の生産量と消費量。



世界の総漁獲高(水色部分です。濃い青は養殖分。)。



土地にも資源にも限りがありますし、暮らす人々の許容範囲以上に消費が伸びることもありません。
経済はけして、地球という与えられた環境の制約を超えられないわけです。
技術革新等によって、経済にブレークスルーが起きたりもしますけれど。
(技術も物理的制約を受けますが、技術の進歩が止まるレベルまで行き着くのは遥か先だと思いますね)


長期投資を考える時、そもそも成長余地があるか?を考えることはとても重要だと思います。


(続く)